背景というのは、
例えば、A４の紙に星のマークを書いて、それを切り抜いたとします。
そこには作成した星がありますが、切り取られた紙を見ると、そこにも、くっきりと星が浮かび上がっています。
その切り取られた紙が背景ですが、実は、その背景の方が、情報量としては多くなり、それを見れば星の形だけでなく、ハサミで切ったのか、もしくはカッターで切り取ったのか、などのことも分かることができます。
そういえば、ずっと以前に働いていた会社で、Aさんという特に女性から嫌われていた男性の従業員がいました。その方は、あえて相手が傷つくような嫌味をわざわざ言ってくるので、「とても腹が立つ」と多くの方が言っていました。
表面的には、Aさんは嫌な奴でしたが、でも、その嫌味を言ってしまう、というよりは言わざるを得ない背景が、何かあるような気がしていました。
さらに、そのAさんは、挨拶を全くしない方で、ある人は「挨拶できない奴は、何もやっても信用がない」とも言っていました。
ただ、何となく聞いた話では、そのＡさんは、親から「挨拶なんて無駄だからしなくてもいい」といったような教育を受けてきたとのことでした。
そういう風な教えだと、なかなか人間関係を築いていくのは難しいのではと思いますし、何となく、Aさんの嫌味を言う性格の背景が、そこにあるような気もしてきました。
まあ、僕も学生時代には、「性格が暗いとか、もっと明るくしたら」とか言われてきましたが、そのころは、特に人間恐怖症みたいなのがあったように思います。
それに至った背景は、僕には兄がいて、彼は自分より弱い人間には、急に怒鳴りだすといった性格があり、そういうことから、人間は怖いもの、という風な先入観が生じたようにも思います。
そういえば、兄は２５年くらい前に結婚をしたのですが、そんな兄と別れもせず、ずっといる奥さんはすごいなあと思います。
まあ兄は嫌いでしたが、ただ僕が幼いころは、父があまり家にいることがなく、何となく兄が家族における父親代わりとなり、あまり誰かに甘えることができず性格的に歪んだという背景があるのかなあとも思います。
カウンセラーやセラピストというのも、人間の背景を見ようとしていますね。
そういえば、フロイトは、あるヒステリーのある患者に対して、セラピーを行っているときに、その背景には、無意識に抑圧されたものがあって、その抑圧されたものを排除することにより、ヒステリーが改善したようなことを聞いたことがあります。
人間の背景の観察の先に、無意識の領域があるという発見につながったようですが。
ここからが本題ですが（前置きが長い笑）、
性的なことにおいても、人により、さまざまな背景があると思います。
例えばですが、身体がほとんど感じないという不感症であったとしまして、
その背景としては「性は不謹慎なもの」という教えがあったとしまして、それがゆえに身体が感じなくなっていたということがあるのかもしれないです。
ずっと以前に、とある厳格な牧師の娘さんが性感マッサージを受けに来られたことがあったのですが、宗教というのは性のことに関しては、かなり厳しくて、それゆえに身体が感じなくなってしまったのかも知れないとも語っておられました。
もちろん、気質的なこともあるので、そうであるともいえないですが。
気質というのは、例えば、「鼻が高い」ことで悩んでいたとします。
でも、それって、生まれつきなので、どうしようもないことだと思うんです。
気質的な悩みに関しては、「それはどうしようもない」と気づくことが以外にはないように思います。
因みに、不感症が悩みの方が、うまくいった例としては、
「本人が、不感症と思い込んでいた」
というケースでした。
もちろん、うまくいかなかったケースも多いですが。
